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  間違っているお雛様のはなし

おひな様と雛人形の違いって何???・・・・

 まず、初めに書かなくてはならない事は今の70代以上の方には当然だった事だと思います。
現代の若い方には想像も付かない事ではないか?それ程日本人が忘れかけてしまった、日本人の本質に
係わる事だと思っています。
 さて「おひな様と雛人形の違いって何??」ってわかりますか?「えー同じ物でしょ!!」って声が聞こえてきますが・・・
 私が作っている時点では「雛人形」です、決して「おひな様」では有りません。
 雛人形店に行かれ、店頭に並んでいるのは「雛人形」です、決して「おひな様」では有りません。
 もう判ったという方がたくさんいる事を望みますが・・・わかりましたか?
 「おひな様」てすごい丁寧な言い方ですよね!!、なにしろ
「お」が付いて「様」が付くんですから。
 他にこんなに丁寧な言い方って有りますか?・・神様も仏様も「お」が付かないし、天皇様と言ってもお天皇様とは言わないしお菓子と言ってもお菓子様とは言わないし・・何 何・・
うちでは自分の事を「お父様」って呼ばせているって!!確かに御宅ではそうかも知れませんね!!確かに「お殿様・お姫様」って呼びますね
他にはどうですか?・・・
「おかげさま」とか「おてんとうさま」って言いませんか??
 「おかげさま」って昔の人はついつい口に出して言ってましたね、
「おかげさまで元気に暮らしています。」
とか、悪い事をしても「ちゃんとお天道様が見てるよ!!」って言いますよね。
 この、「おかげさま」は「御影様」と言って、「自分の影」の事、言い換えれば自分の「守護神」の事なんですよ、だから自分ではなく自分の「守護神様」によって「自分が健康に暮らせている」っていう、究極の尊敬語なんですよ。
 そうなんですね、これが日本人の文化なのです、話をおひな様に戻しますと、雛人形店で皆様がお嬢様の雛人形を購入すると、雛人形はお嬢様だけの守護神となり、
その瞬間に単なる「雛人形」が「おひな様」に変わるんです。
 そしておひな様は、大切なお嬢様の身代わりとして、傷つき、汚れながらお嬢様の云わばピンチヒッターになるのです。
 昔の人は、自分を守る尊い物へ、最大の尊敬を表す「お」と「様」を使って「おひな様」と呼ぶようになったのです。

おひな様が汚れ、傷付くのは悪い事?

 良くお母様から質問を受ける事に、「おひな様が汚れてしまいましたが修理はできるでしょうか?修理しないと良くないでしょうか?」と聞かれます。
 詳しく聞いてみると、お雛様が汚れると娘に不吉な事が起こるのではないか?と心配している事が解りました。これは全くの正反対な事なのです。
 おひな様は、持ち主(お嬢様)の身代りとして存在している人形ですから、お子様の代わりに犠牲になり、汚れたり傷ついてくれたのです。 その分、お子様が難を逃れた事で、喜ぶべき事なのです。
 ですからいい機会ですから、お子様によくお話してあげて下さい。お雛様が(いとお)しく思え、感謝の気持ちも芽生え、物を大切にする心を養う絶好の機会です。きっと素晴らしい女性に成長されるでしょう。
 詳しくは、「日本人と人形の歴史」 で説明しています。

おひな様を触らせない

 お母様が選んで気に入ったお雛様を「大切にしたい」と思う気持ちは良くわかります。
 しかし、あまりにも大事にするあまり、お子様に触らせないようにと手が届かないはるか高い所に置いたり、叱ったり、出した手を叩いてしまったりすると、子供心にお雛さまに嫌な思い出が残る事に成ります。「お雛様を見ると怖いお母さんの顔を思い出す!!」なんて事になってしまいます。詳しくは「家族で楽しいひな祭の思い出をつくりましょう」のページを読んで下さい。


人形の髪の毛は伸びるの?   

 よくテレビ番組で「髪の毛が伸びる人形!!」などと放送されますが、私も一応確認の為に数多く観察してきましたが、全てが間違いだと断言できます。
 良く見ると、どれも伸びていると言っても元の長さの2倍以上に成っている物はひとつも在りません、みな適当な長さに伸びたように見えるだけです。もしも本当に伸びるのでしたら、元の長さの3倍4倍の長さになっている人形もあっていいはずです。
 種明かしをしますと、それらの人形の髪の毛は元々完成時の長さの2倍の長さがあり、それをU字型にして、真ん中を頭に植え込んで接着して作る物が有ります。
 そうした物の中には粗悪品も有り、古くなり接着部分が腐食してきて植えた髪の毛は抜けてきます。(勿論もっとしっかり作っている物がほとんどです。)
 もうお解りですね、抜けた髪の毛が絡み付いてまるで伸びているように見えるだけなのです。 

   
お雛様の歌の詩は間違いだらけなの?

 お雛様の歌は数多く有りますが、一番良く歌われるのが「うれしいひな祭」だと思いますが、しかしこの歌詞の下記赤字部分は間違いだと言わざるを得ません。
 1936年(昭和11年)に、レコード発売された童謡ですが、故人の名誉を傷つける気はありません。おそらく作詞家の先生も雛人形業界の人間に確認されて作詞した事と推測しますが、どこで間違ってしまったのか、不幸な事だと言わざるを得ません。

(1) あかりをつけましょ ぼんぼりに    お花をあげましょ 桃の花
  五人ばやしの 笛太鼓   今日はたのしい ひな祭り

(2)
お内裏様(ダイリサマ)と おひな様   
   二人ならんで すまし顔
   お嫁にいらした ねえさまに 
   よく似た官女(カンジョ)の 白い顔
 「内裏」とは天皇の私的区域の事を指します。ですから、「お内裏様」とは、殿だけを表すのではなく、雛人形の場合「殿と姫の両方」を表す言い方です。
 また、「おひな様」も男雛と女雛の二人で一対の事を表すので、「お内裏様とお雛様」とはただ同じ事を繰り返していることになります。正しい意味で書くならば「御殿様とお姫様」とすれば良かったでしょう。


(3) 金のびょうぶに うつる灯(ヒ)を    かすかにゆする 春の風
   すこし白酒(シロザケ) めされたか    赤いお顔の 
右大臣(ウダイジン)
 
「右大臣」と書いてしまった事で、2つの間違いが生じてしまいました。まず五人囃子の下に居るのは「右大臣・左大臣」ではなくて随身(ずいしん)です。いわば、近衛兵(このえへい)(宮中警備の兵士)です。 それが証拠に弓矢・太刀で武装しています。右大臣・左大臣なら笏(しゃく)を持たなくてはいけません。そして飾る段は五人囃子よりも(くらい)が高いので、上段に飾らなくてはいけません。
 今ひとつは、左右の違いです。おひな様の場合左右の決め方は殿から見て左・右と決めます。ですから右大臣ではなく、「左の随身」が正解です。
 同様の事が京都市の左京区・右京区の配置に見られます。京都の地図 を よく見ると、右側に 「 左京区 」 があり、左側に 「 右京区 」 があります。これは、平安京の内裏にいた天皇 が、南向きに座って政務を行った ( 「 天子南面す 」 ) ので、天皇が南を見て 「 左 と 右 」、つまり 東側が 「 左 」、西側が 「 右 」 となるのです。
 
京都御所の 「 紫宸殿 」 ( ししんでん ) の前庭にある 「 左近の桜 」 ( さこんのさくら ) と 「 右近の橘 」 ( うこんのたちばな ) も、前庭から見ると左右が逆 ですが、本来は 建物の内 ( 天皇 ) から見て 「 左、右 」 なのです。

(4) 着物をきかえて 帯しめて   今日はわたしも はれ姿
   春のやよいの このよき日   なによりうれしい ひな祭り 

しかし親しみやすく良い歌である事は間違いありません。お子様に歌ってあげてくださいね!!


早く仕舞わないと嫁に行けないの?

 「おひな様を早く仕舞わないとお嫁に行けない」そう昔から言われている事は事実です。
 これを心配して慌ててお父さんお母さんが「一生懸命に仕舞ったわ。」と言われる親御さんもいらっしゃると思います。でもそれはチョット違いますね。お母様は無事お嫁に行けたのですから。

 おひな祭「桃の節供」の原型は、流しびなの厄払いですから、その日のうちに川に流してしまわないといけませんでした。そこから「すぐに仕舞わないと・・・」と繋がった訳です。
 そして、「自分の物はすぐに仕舞いなさい」とご両親が娘の(しつ)けの為に言った事でした。それでも、なかなか云う事を聞かない子供に「自分の物を仕舞う事も出来ないような、だらしない娘は、誰もお嫁にもらってくれないよ」と叱ったのです。
 戦前までの日本では、未婚の女性が「嫁のもらい手がない」と言われる事は致命的な事でしたので、この言い方が今に残った事なのです。
 ですから、皆様のお嬢様にも、自分の物を自分で仕舞えるような立派な女性に育てられる事も、おひな様を通じて学べられたら良いですね。

飾るのは何日から? 

近年、お雛様を売る側の都合では?と疑ってしまう程、早期に販売や配達をしてしまう話を聞きます。
お客様も 「お正月に親戚一同が集まるので皆に見て頂くのに丁度良い」そんな話も聞こえてきます。
でも、チョット待って下さい。・・・
卒業式の前に入学式しませんよね、それと同様に、桃の節供の前の節に節分が有ります。
いくら早く飾りたい!!と思っても、2月の節分の後の良き日に飾りましょう、それが日本の文化です。


お母様のお雛様
を娘が受け継ぐのは×

 旧家に何代にも渡るお雛様が保存されたりしています。しかし、それは一組のおひな様を使い回しているのではなくて、それぞれの代に、それぞれのお雛様が保存されているのです。
 他のページでも色々説明してきた通り、お母様のお雛様はお母様の身代りで、数多くの(やく)(悪い物)を身代りに背負って居てくれます。立派に「お役目御免」に成っています。
 お嬢様にはそんなお母様の悪い所を背負った物でなく、真新しいお雛様を用意しするのが本来の意味です。ご姉妹で共有する事も同様に避けられる事をお勧めします。
 仕舞い場所にお悩みでしたら、今年はお嬢様の真新しいお雛さまと一緒に飾り、も一度お人形に感謝していただき、お祭り後に人形供養に出していただくのが良いと思います。
 人形供養はそれぞれの地域の人形協会等で、行なわれています。

 

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